妊娠、産後に関わらず、多くの問題を抱える骨盤問題:Women’s Clinical Specialist (WCS)による解説
腰周りの痛みには様々な原因があります。例えば尾骨骨折、転倒、子宮内膜症、過敏性腸症候群、膀胱の不調などが一例として挙げられます。
肩や膝の痛みで理学療法を利用し、骨、筋肉、神経、筋膜、靭帯の治療をする事は一般的に珍しくありません。同様に、骨盤や腹部にも筋肉や神経、筋膜、靭帯は存在し、時には痛みを引き起こします。
骨盤専門の 理学療法士は骨盤、背骨、腹部の治療を行います。体のアライメント、筋肉、筋膜の状態、また骨盤や体全体の動きを確認して、痛みや不調の原因を究明していきます。
骨盤底筋群の不調を和らげたり、より快適な性生活の手助けをしたり。骨盤 理学療法の利点について見ていきましょう。
1. 動いた時の痛みを減らす
骨盤には骨盤底筋群という筋肉の塊があります。骨盤底筋群は骨と内臓を支え、腰とお尻を安定させています。もし座った時や立った時、歩く時や運動中に痛みがある場合、 理学療法 で軽減させる事ができます。
多くの場合、痛みは尾骨と骨盤の位置関係のずれ、弱い体幹、強張った骨盤底筋群や腹筋によって起こります。 理学療法 はこういった原因を突き止め、痛みの少ない生活へと戻るお手伝いをします。
2. 尿漏れを防ぐ
骨盤底筋群はハンモックのような形をしていて、骨盤の上下横に繋がっています。また尿道や直腸が通っており、排泄の調整をしています。よって弱すぎたりきつ過ぎたりすると、尿の管理がうまく出来ずに頻尿や尿漏れへと繋がるのです。特に出産の後は、膣、直腸、尿道口の密接した排泄機能に影響が出てしまいます。
骨盤理学療法は様々な方法で骨盤底筋群を調整し、本来の状態へと導いていきます。
3. 痛みの少ないセックスを
多くの女性が経験する性交の痛みは、仕方のないものではありません。強張ったり腫れたりした骨盤底筋群が原因となっている事が多いのです。骨盤底の筋肉を十分に伸ばし、骨盤の不調を無くすことが痛みを和らげる鍵となります。
怪我や炎症は、骨盤周辺の内臓に腫れ、傷、癒着を引き起こす事があります。これが骨盤底、臀部、背中、腹などの筋肉にトリガーポイント(初痛点)が生まれる原因となります。こうした負荷は筋肉の痙攣や肥大にも繋がります。
骨盤理学療法では筋肉をほぐし、本来の柔軟さを取り戻すことでより快適な性生活をお届けします。
4. 他の痛みの原因を治療する
手術の傷跡、膀胱の不調、感染による食道の炎症など、骨盤痛には多くの原因があります。筋肉が傷ついた後によく見られるのがお腹の張りです。骨盤底筋群が強張るほど、内臓を支える事ができずにお腹が張り出してしまいます。 理学療法では筋肉をほぐし、リンパ腺や血液循環を整えて炎症を抑える治療をしていきます。